児童相談支援におけるVR研修のニーズの実態調査の「資料」
以下の①から③までの動画をご確認の上アンケートにお答えください。
児童福祉司の目線の様子
①VRロールプレイの様子
VRロールプレイ中の児童福祉司の目線(立ちver)
児童福祉司・家庭相談などの研修でよく使われる「ロールプレイ演習」は、実践的な訓練として、よく使われています。しかしながら、お互いの顔を知っている中では、緊張感や現場の再現性は少ないように思います。
VRを用いたロールプレイでは、アバターを通して役になりきるため、より高い緊張感で、ロールプレイ演習が可能となります。さらに緊張感を増すために、互いに匿名で参加できることも利点です。
また、画面横からスーパーバイザーがサポートしてくれるライブスーパービジョンも設定できます。それにより、緊張感のある様々な事例を、安全性を感じながら演習できます。事後のフィードバックにおいても臨場感のあるアドバイスをもらいやすい環境です。現地でのOJTとはまた違った養成方法となります。
実際の家庭訪問調査の前に練習したり、また高度な相談援助など人材育成に寄与できると考えております。
さらに、このようにロールプレイの動画を残しておける「ライブラリ機能」は、個人の振り返りで活用したり、職場でデータを蓄積して動画学習をしたり活用できます。
②オンラインロールプレイの様子
最近よく使われているオンラインロールプレイです。ZOOM 等を用いて、容易に幅広い相手とロールプレイの練習が可能となりました。
これは、平面の画面の相手に向かって行いますが、画面は顔を中心に映されることが多く、ボディランゲージが伝わりづらいため、ロールプレイ中は互いの表情のみの情報で行われる可能性が高いです。また目線はカメラを通して行うため当人同士で合わせにくく、役になりきろうとしても相手の臨場感を感じながら対応を判断していくことが難しい環境でもあります。
この動画は「ZOOM」アプリを使用しています。
③シナリオシミュレーションの様子(アクセンチュア仕様 ver)
シミュレーション学習は、医療や看護業界でよく用いられる方法です。どんな状況でも、同じ手順で対応し、安定した技術を提供できるように訓練することに長けた学習法です。ロールプレイと異なる点は、相手の反応を見ながら対応を変えていく臨機応変さの養成には向いていないことです。
児童福祉業界では、アクセンチュア社がこの手法を用いた学習法を提案しています。具体的には、俳優を起用し、実例に基づいた没入型ストーリーと音声により作成されており、学習者がさまざまな選択肢から問いかけを選び、それに対して、相手の反応や引き出せるストーリーが変わっていくものです。
この動画は「アクセンチュア社」のシステムを想定するものです。日本人verとなります。
メモリーモード使い方:端末使い方動画
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児童福祉司・家庭相談などの研修でよく使われる「ロールプレイ演習」。実践的な訓練として、よく使われています。しかしながら、お互いの顔を知っている中での演習であり、緊張感や現場感などは少ないように思います。
vrを用いたロールプレイでは、相手が誰かわからず、より高い緊張感の中で、ロールプレイ演習が可能となります。
また、画面下からスーパーバイザーがサポートしてくれたりと安全に様々な事例を、現地でのOJTではなく、仮想空間でのシミュレーションができます。
実際のお家への訪問調査の前に練習したり、また高度な相談援助など人材育成に寄与できると考えております。

研究者 東京都市大学 人間科学部 児童学科 准教授 宮川哲弥
児童相談所や子ども家庭センターでの業務は忙しく、そして高度な相談援助技術を求められます。また、業務の中で心が痛み傷病される職員も多いのが現状です。そこで、バーチャルリアリティを用いた、高い緊張感がありながらも、安全にロールプレイ研修ができるシュミレーターシステムを開発しました。元児童相談所職員として、児童福祉に関わる皆様へ還元できる研究を進めていきます。
研究の目的は、児童福祉司、家庭相談員(以下:児童福祉司等)の養成過程における実践力及び専門性の向上、及び精神疾患による休職の防止という課題を克服する方法を明らかにすることである。VR技術(Mata社Worksroom無料アプリ)を用いた児童相談所及び子ども家庭センターの人材養成における研修の効果測定並びに実践力の客観的なデータ(エビデンス)を得る事に着目し、その課題を明らかにし社会還元を目指す。
18歳未満の子どもへの児童虐待は30年連続で増え続け、2020年度は過去最多の20万5,029件になった。一方で全国の児童相談所で、虐待などの対応にあたる児童福祉司のうち、うつ病など精神疾患を理由に休職した職員は年度2.3~2.9%で、民間事業者の平均(0.4%)の5~7倍に上った
児童福祉司等研修で多用されているのが、ロールプレイである。しかし、日頃から顔を合わせている者同士や児童福祉司同士の研修であるために、緊張感が薄れてしまうことがデメリットとして挙げられる。また、新たな課題を発見しにくい事もデメリットの1つである。ロールプレイの内容や形式が毎回同じである事が、新たな課題を見つけにくくしている可能性がある。
この課題解決に向けて、南カリフォルニア大学クリエイティブ・テクノロジー研究所(ICT)が開発した、退役軍人の再就職を支援するVR面接システムなどが実装化されているが、システム構築のコストが高い事やソフトに汎用性がなく、誰もが自由にアクセスし利用できる環境ではない。またVR面接は企業などで導入されているが、専用ゴーグルやのソフトが必要でと汎用性は低い。
本研究の児童相談支援の面接システムは、「Worksroom」無料アプリを使用する事で、ネット環境、HDMだけでシュミレーションが可能であり、「Zoom」の様に簡易的にシステムが構築できる。また、経験豊富なスーパーバイザーがVR面接に参加しオンデマンドで児童福祉司をサポートする機能など、先例がなく研究意義は大きい。
vrを用いたロールプレイ演習 を見てみましょう
右の動画は、左が児童福祉司です。右が父親になります。泣き声通告の状況を簡単な動画にしてあります。
途中で、母親にアバターが変わります。アバターは3兆を超えるバリエーションがあります。
この動画は模擬シュミレーションで行っています。この画面を別画面で見ることができます。そこでは、スーパーバイザーが、面接をモニタリングして、指示を伝えたりと安全にシュミレージョンが行えます。
次の動画は、困難事例編です。多くの保護者の方々は協力的でありますが、中には、心の不調や男性恐怖症などの症状がある保護者の方の調査や面接をする時があります。相手の症状に最大限に配慮しながら、児童の安全を確認するという高度な相談援助技術が必要になります。
相談援助の仕事における心拍と自立神経の動きを可視化します!
左の図は、心拍変動解析の結果を表しています。シュミレーションでは、面接をしている中でリアルタイムで「心拍数」「自立神経活動」をモニタリングして、記録しています。心拍数は緊張状態では上がり、リラックスモードでは低くなります。図では紫の線で急激に心拍数が下がっています。厳しい面接から、優しい面接に変わった時に、心拍数が低くなり落ち着きを取り戻しています。
オレンジは交感神経です。面接中は上下を繰り返します。しかし、紫の線の部分ではオレンジの交感神経が下がっているのがわかります。同時に、緑の副交感神経が増えていることがわかります。
医用工学の知見に基づき、エビデンスに基づいた面接評価が可能となります。
また、1秒ごとに、心拍数、自律神経などをモニタリング。それをCVSに記録ができます。さらに詳細な分析が可能となっています。
事例は現役の児童福祉司が監修しています!
児童相談においては、あらゆるシュチュエーションが存在します。これらの架空事例を参考にして面談シュミレーションを行います。
VRシュミレーション
架空事例を見て見ましょう
事例紹介
①【学校通告、小3男子、父母からの身体的虐待】
親:急な児相関与に困惑。子が保護されると思って矮小化。寄り添う姿勢に柔軟になる。
状況:学校アンケートの家庭内の困り事に「昨日父から叩かれた」の記載があり、子どもに確認。ゲームし過ぎて怒られた時に叩かれたとのことで児相通告。母親には学校から連絡済み。児相が母へ連絡した後に、同日家庭訪問。リビングにて。
CW「突然の訪問受け入れありがとうございます。今回、学校からの連絡を受けて、お子さんがお父さんから叩かれているという話を聞きました。そうした話を聞いた場合、学校は児相に連絡しなければならなくなっており、児相も直接保護者の方やお子さんから話を聞いて事実を確認することになってます。なので、今回はそのお子さんがお父さんから叩かれるということについて、お母さんの把握されている事柄について確認させてもらいたいのですが宜しいですか?」
M「はい、、、大丈夫です。私もちゃんと見てた訳ではないんですが、この間の日曜日、主人と子どもが喧嘩してたからその時のことかなと思います。でもそんな大きな喧嘩とかじゃないんですけどね」
CW「お母さんは、お子さんの言う、お父さんから叩かれた。という場面は見てはいないということですか?」
M「殴ったり一方的に叩くと言うのではなく、あまりにも言うこと聞かないから少し小突いた感じですよ。」
CW「お子さんは普段から言うことを聞かないことが多いんですか?」
M「いつもではないですけど、一度で言って聞けないことは多いですね。」
CW「そんな時、普段はどのようにお子さんに関わるんですか?」
M「まぁ、普通に何度も言って聞かないと強く怒る感じです」
CW「今回のように小突くというようなことは良くあることですか?」
M「あまり無いですね。父も普段は優しいし子どもとも遊ぶし、子どもも父を慕っていますし」
CW「ありがとうございます。このあとお子さんからもお話伺えますか。」
M「それはできればしないでもらえますか」
CW「それはどのようなことがあってそう思われるんですか?」
M「いえ、、、今回のことなら学校や児相から連絡があったことも主人に伝えますし、子どもにも謝って同じことのないようしたいと思ってるからです。それにあまり大事にしたくないし、子どももそんな話聞かれるなんて思ってなかったと思います。」
CW「お母さんは、我々がお子さんと話すことでどんなことが心配に思われてますか?」
M「いえ、、、例え軽くでも叩かれた話をすると、大好きな父親を悪者扱いして話すわけですよね。それって子どもにとっては良いことなのかなって思って…」
CW「大丈夫ですよ。ご主人を悪者扱いするのではなく、その時の事実やお子さんの気持ちを中心に話をきかせてもらいたいのです。」
M「でもそのことで息子を連れていかれたりするんですか?」
CW「いまの状況で一時保護は考えていない。子どもの安全を守るために保護することも児相の職務ではあるが、困り事のあるご家庭に寄り添って解決策を一緒に考えるのも児相の職務です。」
M「そうなんですね。。。それを聞いて安心しました。子どもとの話は、はい、してもらって大丈夫です。宜しくお願いします…」
②【近隣通告、小学生高学年男女子、母からの身体的虐待】
親:疑われて拒否。反抗期の大変さに共感してもらえると柔軟になるパターンも。
状況:匿名で泣き声を心配する連絡があったので話を聞かせてもらいたいと伝えて、玄関先で話を聞く。
CW「突然の訪問受け入れありがとうございます。あらためて、児童相談所の○○と申します。今朝、匿名で大人が厳しく叱る声と子どもの泣き声が心配との情報があったので確認のために伺いました。」
M「はい、はい。確かに子どもと喧嘩してたのでそのことですかね。全く大変なんですよ。うちの子反抗期でっ。ちなみに誰なんですか?そんなこと言ってくるの。」
CW「すみません、それは言えないことになっています。」
M「まぁどうせ近所のだれかでしょうけど。」
CW「その時の状況をもう少し詳しく教えてもらえますか?」
M「状況もなにもあの子が朝起きるのが遅くていくら言っても聞かないから、でも学校にも行かせないといけないしひと通りの荷物渡して外に出したんですよ。だから泣いてたんじゃないですか?」
CW「お子さんは普段は学校には間に合うように過ごせているのですか?」
M「普段からよ。いっつも起きやしない。」
CW「今回、お子さんの泣き声が聞こえたと言うことなんですが、普段も今回のように学校に行かせるためにご苦労されてるのですか?」
M「そうそう、いっつも。毎日そんな感じ」
CW「するとほぼ毎日」同じようなやりとりが繰り広げられるのですか」
M「まぁそんな感じね」
CW「そうした時、お子さんはお母さんの指示にはどのような理由があって反抗するんだと思われます?」
M「寝不足なんだと思いますよ。いっつも夜遅くまで携帯いじってるんだから」
CW「そうした理由もあってお母さんの声かけに反発してる感じでしょうか。」
M「だと思いますけどね。反抗するもんだから私、めっちゃ叩かれるんですからね。」
CW「反発されて叩かれたりもするんですね。お子さんをなんとか登校させないと…と思って、朝の時間のない時で大変でしたね。」
M「そうなのよ。」
CW「そうした時にはお母さんはお子さんにどのように関わるのですか?」
M「もう必死ですよね」
CW「例えばきつく叱ったりなどはありますか?」
M「当然叱りますよ。子どもを学校に行かせるのも親の役目なんですから。叩かれてる側からするとそうでもしないと動かせないですし」
CW「国からの通知で訪問時にはどの家庭にも確認させてもらってるんですが、お子さんのことを叩いたりすることはありますか?」
M「今回みたいに押して玄関まで出すのはあるけど、叩いたりなんかするわけないじゃないですか」
CW「不快な気持ちにさせてしまいすみません。玄関まで出すときにはどのようにされるのですか?」
M「普通によ。普通に。てかなんでそんなに聞かれないといけないの?体罰とか虐待とかで私を疑ってるの??私が子どもを叩いたりしてるとでも?見てこのアザ。私が被害者ですよ。もういいですよね。これで。」
CW「疑ってなどいません。ただどのようなご事情があったのか確認する必要がありまして。不快な思いをさせてしまったことは申し訳ありません。ただ、確認しなければならないので、お子さんともお話をさせてもらいたいのですが」
M「子供が話したって同じ話しかしませんよ。それに子供に話をしてあんたたちが帰ってから、話のストレスで私に殴りかかってきたらどうするんですか。責任取ってもらえますか。」
CW「お子さんに負担のないようにはしますので」
M「だから同じだって言ってるじゃない。私の言うことを信用してないの?なんなんですかあなたたちはいきなり来て。もう良いですか?気分悪いです。もう帰ってください!」
③【泣き声通告、小学生低学年ぐらい、父母からの心理的虐待】
親:心当たりあるが、けんか腰の口調でとにかく帰らせようとする。法的説明&次回設定で終了。
状況:アポ無し訪問し、泣き声が心配だという連絡が入った旨伝えて、玄関先で対応。
CW「あらためて児童相談所の○○と申します。今回、お子さんの泣き声を心配する連絡が入ったので確認のため訪問させてもらいました。ご対応ありがとうございます。」
M「いったいなんなんですか?」
CW「実はここ数日、お子さんの泣き声が心配だという連絡が入りまして。そうした連絡が入った際にはお話を伺わせていただくことになっておりまして。」
M「なっておりましてなんて知りませんよ。いったいなんですか?まず児相かどうかも分からないですし、名刺見せてくれます?」
CW「職員証を提示します。」
M「で、なんの話なんですか?」
CW「ご協力ありがとうございます。ここ数日、大人の叫ぶ声と子どもの泣き声がよく聞こえてきて心配だという連絡があったのですが、そうした連絡が事実かどうか分からないので、確認のためにお話を伺いたいのです」
M「泣き声は子どもたちの喧嘩ですよ。よく喧嘩してるんです。うちは2人とも男でまだ幼いからしょっちゅう喧嘩してますよ」
CW「喧嘩するお子さんの仲裁は大変ですよね。そんな時にはどのように対応されるんですか。」
M「普通にですね。でも言うこと聞かなくて当たり前じゃないですか、子どもなんだから。」
CW「そうですよね。今日はお子さんはいますか?お子さんからもお話を聞く必要がありまして。」
M「子どもから聞いたって今話したことと同じですよ。それにいきなり来られて子どもに会わせる訳無いじゃないですか。そりゃ私だってなんとかしたくて強く言う時はありますよ?でもよそ様に心配されるほどのものじゃありませんよ。私は一生懸命子育てしてるのに疑われて。あなたたちはこうした子育て世帯を守る立場の人なんじゃないんですか。」
CW「そうですよね。不快な気持ちにさせてしまい申し訳ありません。ただ、今のように普段どのような感じで育児なさっているのかなどお話をきかせてもらえると、その連絡がどの程度事実なのかなどの判断にも役立つので。なので今日でなくても良いのでお子さまともお話をさせてもらえますか」
M「いや、だから私が話したことと同じだっていま言ったでしょう!??」
F「なんですが、玄関先で騒がしいと思って来てみたら」
CW「突然すみません、私たち、児童相談所の職員でして、お子さんの泣き声を心配する連絡があったのでその確認のために訪問させてもらってます。」
M「この人たち、私が子どもを泣かせていると疑ってる人の連絡を信じてるみたいで悲しくて。」
F「あんたたちいきなり来て妻を泣かせてなんなんだ。もう帰ってくれ。」
CW「すみません、お母さんのことを疑っている訳ではなく、その時にどんなことがあったのかを教えてほしいんです。」
M「でも私の話を信じないですよね!?」
F「この状況で話もなにもないだろう、もう帰れ!」
CW「しつこいようですが、直接確認をしなければならない決まりになっておりまして、ご協力いただけませんか」
F「いいかげんにしろ!!帰らなければ警察呼ぶぞ!」
CW「お気持ちは分かります。ただ我々も警察同様に、法律に基づいて事実を確認する義務があるので、今日みたいにいきなり訪問も失礼ですし避けたいので、ご都合の良い時に対応願いたいのですが、連絡先を教えてもらえますか」
F「連絡とるならまず私に連絡してください。番号は…」
CW「ありがとうございます。また後日連絡いたしますので宜しくお願いします。」
④【泣き声通告、おそらく幼児、父母からの心理的虐待】
親:時間がないので少しだけとのことで玄関先で面接。近隣トラブルと主張、関与事態拒否。親が勝手に切り上げるまで継続。
CW「突然すみません。児童相談所の〇〇と申します。今回、大人の喧嘩する声と子どもの泣き声が数日間続いていて心配という連絡があり訪問しました。このような連絡があった際には直接お話を伺う必要がありまして。」
M「はぁ。誰が連絡したんですか」
CW「すみません、誰が連絡したかなどは言えないことになっているんです。その連絡もどの程度まで事実かも分からないので調査にご協力いただけますか。」
M「はい、、、少しなら」
CWありがとうございます。その連絡というのが、昨日の夜20時頃の出来事なんですが、ご家庭のなかで何か心当たりのあるようなことはありますか?」
M「喧嘩はしなくもないけど、別にそんな連絡みたいなのがあるような状況じゃないですよ。」
CW「その時間にお子さんが泣いていたことは?」
M「覚えてないですね。いつも走り回ってるから階下からよく苦情もらうんですけど、どうせその人ですよね。その人、他にもたくさん苦情入れてるみたいでみんなよく思ってないんですよ。その人に関わると良いことないし、、、結構有名ですよ?あまり関わりたくないんでもうこれで良いですか?」
CW「階下の方から苦情を何度かもらうこともあるんですね。実際にお子さんはその時間も走り回ったりはしているんですか?」
M「するんじゃないですか?日々のことだからあんま覚えてないですよ。さっきも言ったけどどうせ階下の人だろうし、心配な連絡とか知らないけど、うちにとっては言いがかりも良いところだと思いますよ。」
CW「所の判断としても状況を確認する必要があるんです。すみませんが、もう少しご協力いただけませんか。」
M「だから大丈夫って言ってるでしょ。」
CW「こうした連絡が入った際には国の要請もあってお子さんやお父さんにもお話を伺うことになっておりまして。」
M「主人も忙しいし、住人トラブルに子どもを巻き込まないでください。もう忙しいので失礼します。」
⑤【泣き声通告、保育園女児、母からの心理的虐待】
親:面接には応じるが交際者との面接を回避しようとする。
状況:アポなし訪問を受け入れてリビングで面接。
母子家庭、週末同居交際者と夜間激しく口論。寝ていた本児は起き、母親と交際者の取っ組み合いのけんかを目撃。
CW「あらためて児童相談所の○○と申します。突然の訪問にもかかわらず受け入れありがとうございます。昨晩お子さんのことを心配する連絡があったので伺いました。そうした連絡があった際には保護者の方やお子さんから直接お話を伺い、子どもを心配する連絡が本当だったかなどを確認するんですが、何かお心当たりのあるようなことはありますか。」
M「結婚はしてないんだけど、付き合ってる人と痴話喧嘩みたいなものはしました。」
CW「それでお子さんはどうされたんですか」
M「言い合いに気が付いて起きてきました。泣かせっちゃったのは反省してます。よくは無いですよね。彼にも私から伝えておきますので。」
CW「交際者の方は同居されているんですか」
M「仕事で帰らない時もあるけど、たいがいは一緒にいますね。いまは同居して3年ぐらいですかね」
CW「そうなんですね。お子さんともお話させてもらえますか?できればお母さんには席を外していただいて」
M「あ、どうぞ」
(子ども面接終了)
CW「ありがとうございました。確かにお子さんもその時の様子を見聞きして怖かったと言ってました。喧嘩はあるものだと思いますが、少なくとも子どもに見せないなどの配慮はお願いします。あとこうした訪問の際は関係する方みなさんからお話を伺わせてもらっているので、交際者の方ともお話をさせていただきたいのですが:」
M「あ、今日は不在で、仕事も忙しいみたいで、次いつ帰ってくるかも分からないので、私から伝えておきます」
CW「そうでしたら、まずは伝えていただけますか。あわせて我々からも連絡を取らせていただくので、交際者の方の連絡先をよろしいですか」
M「あ、彼には私からきちんと伝えるんで。他人からあれこれ言われるのをとても嫌がる人なので。」
CW「そうしたら、またお母さんに連絡をさせてください。交際者の方に話してもらってどのような反応だったかなどを教えてください。そのうえで所としてどのように対応するかも検討させてもらいたいと思います。」
⑥【保育園通告、保育園6歳女児、母からの心理的虐待】
親:児相が関わっていることを周囲に知られたくない思い。もう大丈夫だと言い張る。母親の継続面接には妥協、他は拒否。
状況:保育園から子供が「昨日、ママと新しいパパがけんかして、ママがケガして怖かった…」と話し、保育園から児相と母親に連絡を入れた。電話で訪問調整して、当日中に家庭訪問してリビングで面接。
CW「あらためて児童相談所の〇〇と申します。保育園からの連絡の件ですが、こうした話を受けた場合はどの機関も児童相談所に連絡をする決まりになってまして、児童相談所はその話の事実確認のための調査を行うことになっています。なので、今回、お子さんの言う昨日の喧嘩のことでどのようなことがあったのかお話を伺えますか」
M「ご迷惑おかけしました。子どもに心配させたことは反省してます。昨日のことならもう彼とは別れました。私もたくさん暴力振るわれてきたので、、、今となっては早く別れられて良かったかもしれないですね。」
CW「それはまず安心しました。お子さんの話ではお母さんと彼氏さんがよくケンカをしていたから、お母さんのことが心配だと思っているとのことですが、、、」
M「付き合い自体は半年前からなんですが、彼の酒癖が悪くて、週末なんかはよくケンカしてましたね。娘には悪いことをしました。」
CW「それだけ長期的だとすると、お子さんの心の傷つきも考えられるので、ケアしてあげる必要があるのではないかとも思うのですが。」
M「それはあるかもしれませんね。私がしっかりと甘えさせて傷を癒していきます」
CW「お母さんが守ってあげるのが大事ですね。今回、保育園でわざわざお子さんから相談したぐらいです。お子さんも困っていたのだと思います。お子さんがどのように感じて何を思っていたのか、これまでの喧嘩の影響なども知りたいので、お子さんからも直接話を聞かせてもらえますか」
M「いや、もう私が守っていくんで大丈夫ですよ。私も新しい生活に向けて色々とやらないといけないですし」
CW「お気持ちはわかりますが、このような場合には児童相談所としてもお子さんに直接話を聞くことになっておりまして。」
M「保育園で話をしたことをまた聞き出して、その影響が心配だと言っているのに、あなたたちがそのことを聞き出すんですか。これ以上子供に負担をかけたくありませんので、もう良いですか。私もあまり思い出したくないんですよ」
CW「お母さんのお気持ちとしては十分わかります。しかし、やはり子供のSOSを放っておくわけにはいきません」
M「もうしつこいですよ。彼とも別れたし、私も守っていくと言ってるじゃないですか。もう良いですよね。これで失礼しますね」
CW「そうしたら、せめてまずはお母さんから継続して近況を聞かせてください。お子さんのことに関しては所で検討しないと個人では何とも言えないので」
M「私が話をするのは別に構わないですけど・・・でも私も仕事してるし、今回のことばかりを思い出している時間もないんですよ」
CW「お母さんのご事情も分かります。まずは後日お母さんに連絡しますので、ご対応願います」
M「分かりました。でも子供と話をするのだけは絶対に無しですからね」
CW「お気持ちとしては理解しますが、そうしますとは今この場で言えないので持ち帰らせてもらいます。」
⑦【書類通告、所属無し11か月男児、父母からの心理的虐待】
親:繰り返す面前DVを父母ともに相手のせいにして話を深めようとしない。母は児相に助けを求め、父は怒りをぶつける感じ。
状況:夫婦喧嘩に父親が警察に連絡。児相から連絡がある旨は父母了承。警察臨場時、母は父の浮気癖が変わらないと主張。父は母がおかしいだけと主張。呼び出しにて父母来所、母から話を聞き、母面接にて母は児相の注意を受け止めた。
(父面接)
CW「先日のご夫婦の言い合いのことで警察から連絡を受けておりまして。その時のことを教えてもらえますか」
F「あぁ、あいつがなんて言ったか知らねえけど、おれはなにもやってねーよ。仕事の連絡してただけで女と連絡してるって疑ってきやがって。あいつまじおかしいよ。」
CW「警察にはご主人が通報を?」
F「そ、だっておれが今仕事相手と連絡してるって言ってんのに、いちいち誰と連絡してんだとか聞いてるんだけど、普段から飲み会で帰りが遅くなると居場所教えろだの写メ送れだの、まじうっとうしくて。今回もしつこくて何言っても引き下がらなくて、浮気してるんだろだの色々言ってきたから。おれはセ否定してんのに、あっちが携帯取り上げようとするから抵抗したけど、そのうち物とか投げてくるからさ。だからあっちが悪いの。おれは何度も違うって言ってんだから。だからあいつに言ってよ」
CW「面前DVについての注意等」
F「だから俺は何もしてないって言ってんだろ。あいつに言ってやればいいじゃん。」
CW「子供の家庭環境はご両親が協力して築き上げるものだと思いますが、ご主人としては、奥さんが色々と細かく気にする部分が改善されれば、同じようなことは起こらないと思いますか」
F「そりゃそうでしょ」
CW「どのようにしたら状況は改善すると思いますか」
F「あいつに注意してよ。それでも治らなければあいつがカウンセリング受ければいいでしょ。俺が考えることじゃねえし。だいたい夫婦喧嘩なんてどの家にもあるでしょ。なんで俺まで話をしないといけない訳!?」
CW「面前DVについての注意等」
F「それは俺が理解しようが、あいつが変わらないと意味ないでしょ。警察を呼んだのは母を止めてほしかったからなだけで、別に子育てのことで注意を受ける必要なんかないでしょ。」
⑧【身柄通告、所属なし11ヶ月男児、父母からの心理的虐待】
親:疲れと焦りから感情的で不安定。早く子どもを返してほしいと繰り返し訴える。時期、児相の説明に諦めて態度変化。
状況:休日に夫婦喧嘩、母親の自殺企図もあったことから身柄通告。週明け早朝から児相連絡を待たずして来所。ひとまず面接室にて母親の話を聞く。
M「早く子どもを返してください!!」
CW「そういう訳にはいきません。今回、ご夫婦の喧嘩のことについて詳しくお話を伺い、お子さんにとっての安心安全な環境設定を一緒に話し合うまで、家庭復帰とすることはできません。」
M「はぁ!??なんでですか!!警察からはお母さんも大変だろうから児相に少し預かってもらおう。話したらすぐに帰ってくるからと言われたんですよ!!早く返してください!!」
CW「先ほども申した通り、お子さんを一時保護している間に、どのようにすれば同じようなことが起こらないかを一緒に話をする必要があります。一時保護は原則2か月以内ですが、その間にご主人も含めて一緒に話し合いをしていきたいと思っています」
M「2ヶ月も保護されるなんて聞いてません!納得いきません!!早く返してください。子どもはどこにいるんですか!!」
CW「ご不安なお気持ちも分かりますが、現時点ですぐにお子さんをお返しするという判断はいたしかねます。まずはお子さんをお返ししても大丈夫かどうか、安心安全な環境なのかについて判断する必要があります。なので、その時、どんなことがあったか教えていただけませんか」
M「なんで今すぐ返せないんですか!?うちが安全じゃないっていうのはなぜですか。現にこうして子どもを引き取りに来てるじゃないですか。子どものことを思っていなければこんな朝早くから取り返しに来ないですよ」
(・・・)
M「どうしても話をしないと子どもは帰ってこないんですか・・・?」
CW「お子様のためにも、どのようなことが起きたのか、今後どうすればいいのかを一緒に考えさせてください」
M「・・・旦那が仕事の連絡と言いながらずっとメールしてるし、電話も仕事相手って関係よりはもう少し近い感じでやりとりしてて、浮気してるんじゃないかって疑ってたので、旦那を問い詰めたんです。そしたらはぁ!?っていきなり逆ギレされて、やましくなければ説明すれば良いだけだと思ったから言い返したんです。そうしたらいきなりコップを投げつけてきて。死んでやるって言えば心配して浮気もやめてくれるかなって思って。そうしたらもっと殴られて警察も呼ばれたんです」
CW「そうだったんですね。その時のことについてご主人にもお話を聞かせてもらい、お母さんに説明した通り、ご両親がお子さんを迎え入れるために、どのような再発防止策が考えられるかを一緒に話していきたいと思います。」
M「それってやっぱりすぐには返ってこないってことですか??」
CW「時期は明確なことは言えません。お二人といかに一緒に考えて、それがお子さんを守るのに十分と言えるか、児相の中でも話し合いを進めてから家庭復帰となりますので。」
M「こんなことになってどうせあの人変わりません。どうしたらいいですか!!?警察にも私のことを精神不安定だと言ってたし。私が言っても聞く耳持たないし…」
CW「まずはご主人とも話をしてみますね。今後のことはそれを踏まえて一緒に考えましょう」
M「もう別れるしかないんですか。別れたら子どもは戻ってくるんですか!!?」
CW「我々から離婚してくださいとか、別れたら子どもが帰ってくるとかについて明言はできません。それはご夫婦でどうするべきかを考えてください。ただ、お子さんにとって安心できる環境を作ることについて、一緒に話していきたいと思っています。いずれにせよご主人とも話をして、またお母さんとも話す時間を取らせてください。」
⑨【来所面接、小3女子、父母からの心理的虐待】
親:面接には消極的ながらも応じるが相手のせいにして平行線。
状況:泣き声の近隣通告で家庭訪問、母親から父が家庭にだらしないことの不仲に起因する夫婦喧嘩が繰り返されていること、児童から、父母の言い合いは小2ぐらいからずっと続いていて、思い出すと怖い、内容は双方の親を罵倒したり、互いに無視しあうことがあると確認。母親に仲介してもらい、父親に来所してもらい、所内面接を実施。
W「今日はお時間ありがとうございます。」
F「妻から聞きましたが、喧嘩はするけどよくある夫婦喧嘩ですよ。」
W「どのような時に喧嘩が起こるのですか?」
F「まぁ些細なことが多いですかね。妻は感情的になりやすくて私も気を付けてるんですが、私の行動にいちいちけちつけてくるんですよ」
W「けちとは?」
F「例えばいつもパソコンやスマホばかりいじってるとか、お酒やたばこばかりとかですかね。パソコンは仕事でいつでもクライアントの対応しないといけないので手放せないですし、酒やたばこはリフレッシュですよ。それを言ったら妻は平日は友達とカフェ行ったりしてるのは良いのかって言いたいですけどね。まぁ言ったらまた喧嘩になるだけなんで」
W「たしかに奥さんのご不満としても同様の内容は出てました。児童相談所が心配しているのは、その喧嘩のあとに父母双方から双方の悪口を聞かされたり、喧嘩のあとに父母が会話しなくなるその雰囲気に常に子どもが気にしながら過ごしていることです。こうした激しい夫婦喧嘩は養育環境としては不適切で、子どもの発達に良い影響は与えません。」
F「悪口って言ったって大したことは言ってないですよ。むしろ母親が私の悪口を娘に吹き込んで困ってるぐらいです。それにそんな人を相手にすぐに会話なんてできるわけないじゃないですか。あなたはできるんですか?」
CW「それが事実だとすればお母さんの行為も適切ではないと思います。ただどちらが悪いかとかではなく、子供の前で喧嘩が起こるような養育環境であることが良くないと思っているんです。」
F「だからそれはあっちが細かすぎるんですよ。私に何をしろと」
CW「現状のご夫婦関係や養育環境が続くのは児童相談所としても心配なんです。お子さんにとっての状況を少しでも良くするためにできることを一緒に考えていきませんか」
F「さっきからこれが心配だの、良くないだの、私は悪者なんですかねえ!?最初にもよくある夫婦喧嘩だって言ったじゃないですか。他人様のお世話になる必要なんてないんですよ」
CW「ご主人が悪者だとかは思ってもいません。よくある夫婦喧嘩だとしても、お子さんにとっては良い影響はないんです」
F「だからそれをあいつに伝えてやればいいじゃない。俺が言っても喧嘩になるだけだしさ。私は気を付けたいと思いますよ?でも妻も変わらなければなにも変わりませんよ!??」
W「奥さんとも同様の話をします。その上でお互いがお互いに求めるのではなく、子どものためにお互いが工夫できることに取り組んでください。」
F「まぁ私はやってみますが」
⑩【学校通告、小6女児。父母からの心理的虐待】
親:心理的虐待の存在を知らない。説明されて渋々理解。継続面接には渋々応じる。
状況:学校アンケートで家庭で困っていることの欄に本児が「父母がいつも喧嘩をしていて困っている」と記載。学校が聴取し、頻繁に喧嘩が繰り返されている状況と子供が巻き込まれていることが想定されたため児相通告、母親へは学校から連絡。母親と連絡を取って家庭訪問し、教育方針をめぐっての喧嘩し、父親から母親に対してクズなどの暴言が多いこと、母親みたいなクズになるなと子に吹き込むことを確認、父親面接を仲介してもらい、父親と来所面接。
CW「今日はお時間ありがとうございます」
F「事情は分かったが、あんたらにとやかく言われることは無いよ。うちはうちの教育方針でやってるんだ」
CW「お宅の教育方針を否定するつもりできたのではありません。ただ学校でお子さんが勉強のことをめぐってご夫婦が喧嘩をすることに困っているという話があったのでご事情を伺いたいと思いまして」
F「べつに喧嘩したとしても、どこにでもある教育方針をめぐっての夫婦喧嘩だよ。」
CW「喧嘩の時はどのような感じなんですか」
F「どのような感じも何も普通にだよ」
CW「喧嘩の際には、お母さんに向かってクズと言ったり、お子さんにお父さんが、母親みたいなクズになるなよと言われるとのことでした。」
F「それの何が悪いんだよ」
CW「そもそも人格否定の言葉は良くありませんし、お子さんにとって大事な存在である母親に対する人格否定の言葉を聞くことはなおさらお子さんの脳の発達にとっても良くないんです。」
F「どこにそんな証拠があるんだよ」
CW「・・・影響の説明」
F「でもクズにクズって言って何が悪いんだ。子どものことを考えたら母親みたいにならないようにしてやるのも子供を思ってのことだろうがよ」
CW「お子さんも今のご両親の状況に困っているんです。状況が少しでも良くなるように一緒に考えさせてください」
F「そんなもん、うちが考えることだろう。おたくらにとやかく言われる筋合いはねえよ。」
CW「ただ現状が変わらなければ、お父さんのお子さんへの想いも良くない形で表れてしまうかもしれません」
F「だからそりゃうちが考えることだからいいだろうっての!うちの教育方針に文句あるのか。それであいつが受験に失敗したらお前ら責任取ってくれんのかよ。とれねえだろ。とれねえくせに勝手なこと言ってんじゃねえよ」
W「すみません。ただ少なくとも今の状況が続くようでは、ご夫婦の教育方針をめぐる喧嘩に巻き込まれて、かつお子さんが気持ちを十分に吐き出せる環境が無いと児相としては思っています。お子さんにとってそれは望ましくないと思いますので、状況確認のために、後日またお話をさせてほしいと思っています。」
F「んだよ、気を付けるって言ってんだろ。来ても話すことねえよ」
W「そういう訳にはいきません。我々は子どもの安全安心を守ることが役割なので。」
F「はいはい、もう良いね。気を付けますから」
W「また連絡はいたしますのでご対応願います。失礼します」
⑪【相談受け所判断で虐待受理、小学生5年生男子、父からの身体的虐待】
親:父面接には拒否。子や父に無理やり会おうとする働きかけには抵抗。
状況:母来所面接にて、子供のゲーム依存について相談。話の中でゲーム優先で言うことを聞かない時に父が叩き、そのようなときに母はどう子供をケアしたら良いかという内容もあった。後日電話にて、訪問にて詳しく聞きたい旨を伝えて家庭訪問。リビングにて面接。
CW「先日お話に合った、お父さんがお子さんを叩くという話について、もう少し具体的にお話しを聞かせてもらえますか」
M「父は普段は優しいんです。でも、あの時は仕事のトラブルがあって余裕がなかったみたいで、帰ってきてゲームばかりして言うこと聞かない息子のゲーム機を取り上げて目の前で壊してしまい、息子が泣きわめいて物に当たるものだから父も止めるために叩いてしまい。私もどうしたら良いのか困ってたんです。その後は主人が息子に謝って話をして終わったのですが、息子は気持ちが沈んでいるようで、大丈夫って声掛けしても『うん』しか言わなくて。私も父も息子のゲーム依存には悩んではいたんですが、その時のことについても、どうしたら良いのか知りたくて相談したんです」
CW「そうだったんですね。その後お子さんの様子はどうですか」
M「ゲームはできてないですけど、友達と遊んだり家では漫画を読んだりとあまり引きずってはいないみたいで、今は落ち込むようなことはありません」
CW「今回のことについてご主人とはどのようなお話をしましたか」
M「やはりゲームを取り上げたり叩いたりは良くないよって言って、主人もそれは同じように思っているみたいです」
CW「今回のようなことがあった場合、児童相談所としてもお子さんのことが心配なので、お子さんともお父さんともお話をさせてほしいと思ってるんです」
M「そうなんですね…それはちょっと…はい、大丈夫です」
CW「さきほど、ご主人ともお話をされたとのことでしたので、実際にご主人がどのようにお考えになって、お子さんから見てもどのような変化があったか、ご主人が普段からお子さんのゲーム依存のことでどのようなことにお悩みなのかについても直接お話を伺いたいんです。」
M「あの時は母も困っていたのでどうしたら良いか相談したくて電話しました。けど今はある程度落ち着いているし、わざわざその時のことを子どもらに思い出させるようなことはしたくないです。父も反省しているし、その後何も起きていないですし、それでわざわざ大事にしたくありません。こんなことになるなんて知っていたらそもそも相談なんかしていませんよ。なので子供と主人に話をするのはやめてください。」
CW「悪影響を及ぼしていることを心配しているので、当日のことを聴取するよりもむしろケアの観点から面接をして、普段の生活の様子や困りごとがないかなどを聞きたいんです」
M「いやいや、大丈夫です。今回は私が話を聞きたかっただけなので、アドバイスいただいたところを気にしながらやっていこうと思います。」
W「いや、児童相談所としても家族みなさんから話を伺わなければならないんです。ご協力いただけませんか」
M「ほんとやめてください。迷惑なんで、もうお帰りいただけますか」
⑫【書類通告、小学3年生男子、母からの身体的虐待】
親:今後のことについて、助言をもらいたくて色々と質問も来ることも。
状況:複数回継続面接を行い、福祉司も父母の困り感に共感できており、心理検査を踏まえたFBで親も子供の行動特性やその背景を理解し、児相とも関係性が構築されている。最終面接。
MF「今回の事で子供たちへの関わり方について夫婦でよく話し合ったんです。宿題が終わらなくてイライラしている時に強制しようとしないことや、もし癇癪を起してしまっても親が冷静に話を聞いたりして落ち着かせてあげないといけないって。お友達もできていることは自分の子にもやらせないといけないと思ってたんです。焦ってしまうと口調が厳しくなったり叩いたりしてしまうことはありました。今後は気を付けたいです。」
CW「それぞれお子さんに思いがあるとはいえ、結果的に暴力での関わりになってしまうのは子どもの発達にとっても悪影響と言えますが、今回父母ともに真剣に考えてくれてありがとうございます。それがお子さんにとってもとても大事だと思います。まずは子どもの気持ちを受け止めてあげて、そのうえで父母の思いを伝えてあげること、引き出したい行動を伝えて見通しを示してあげること、一度でできなくても少しでもできたらしっかり褒めてあげることを継続してあげてください。万が一、癇癪が手に負えない時には安全な環境にしたうえで一定の距離を保って気持ちを受け止めてあげるか、落ち着くのを待ってあげてください。
MF「ありがとうございます。まだ関わり方を変えて長くないですが、以前のように癇癪を起してしまう場面も減ったように思います。」
研究者 宮川哲弥
研究者紹介
東京都市大学 人間科学部児童学科 准教授
職歴:横浜家庭学園(児童自立支援施設)
都立誠明学園(児童自立支援施設)
東京都児童相談センター(児童相談所・課長代理)
研究者紹介ホームページ
https://researchmap.jp/miyagawatetsuya
MON-FRI 09:00 – 19:00
SAT-SUN mailで問い合わせ
2025年度 宮川ゼミ紹介
宮川ゼミを選んだきっかけは何ですか?
吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。